口切茶事 @ 茶道会館(高田馬場)
- iezukurisite
- 3 日前
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「口切」とは茶壷の封印を客前で切る儀式を伴う正午の茶事です。 茶師(茶の栽培から製造、販売に関わる人)に預けた茶壷はその年に摘んだ葉茶(碾茶)が詰められ、壷の中で熟成させ、晩秋のころに持ち主に届けられます。 茶壷

茶壷には和紙の袋に収められた濃茶が数本と薄茶となる詰茶が壷に詰められています。茶壷が入っていた箱の裏には御茶入日記(茶銘や茶葉が摘まれた日など)が貼られています。 ずいずい ずっころばし ごまみそずい 茶壷に おわれてトッピンシャン の茶壷です。

小刀で茶壷の口を切り、詰め茶(薄茶)をじょうごに、当日使う分だけ適量取り出します。
すべてを取り出すわけではないので、再び、茶壷に蓋をして封紙(美濃紙)に糊を付けてしっかり封をして綴じ目には印を押します。
蹲踞(つくばい)

茶室に入る前、客は露地に設けられた腰掛け待合で待機し、亭主(主催者)からの出迎えを受けてから、枝折戸(しおりど)を開けて蹲踞に進み手を清めます。蹲踞は水鉢を中心に、手水(ちょうず)を使うために乗る前石、夜の茶会時に手燭を置くための手燭石、寒中時に湯桶を置く湯桶石、3つの役石でなりたっています。
躙口(にじりぐち)

躙口から席入り、陰の席 初座(しょざ)となります。この時は連子窓や墨蹟窓に簾(れん)がかけられ、室内は極めて暗いものとなります。
炉

炉縁は平等院古材、釜は馬地紋。
茶室の腰貼りには反故紙が使われていました。書いてある文字が読めると面白いのですが。
床の脇の袖壁は下地窓と竹を組み入れて抜けているので、墨蹟窓(花飾り窓)からの光が、点前座まで届いています。

懐石(食事と酒)をいただいた後、一旦露地に客は出され(中立ち)再び茶室に入ると、簾は取り払われ、床の間は掛物から花に代わり、茶壷には緒で結びがほどこされて飾られています。少し明るくなった茶室、陽の席 後座となります。
先ほど茶壷から取り出した葉茶、客が懐石を頂いて間、水屋で葉茶を石臼で挽き濃茶、薄茶にし、その挽きたてのお茶を頂きます。お茶をいただき終え、道具の拝見が終わると退出となります。

客が露地に出て躙戸を閉めると、亭主は再び躙戸を開けて無言で総礼をし、客は静かに帰りますが、亭主は客の姿が見えなくなるまで見送ります。
11:00~15:30、4時間半の茶事でした。
家づくりの会事務局






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