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Louis Poulsen / 萱沼 宏記

  • iezukurisite
  • 7 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:5 日前

北欧のあかりに魅力を感じている方は、決して少なくないのではないでしょうか。

その光には、単なる明るさだけではない、空間に対する哲学や人の暮らしに寄り添うやさしさが宿っているように感じられます。


1874年に創業したルイスポールセンは、デンマークを代表する世界的な高級照明ブランドであり、長い歴史の中で数々の名作を生み出してきました。代表作であるポール・ヘニングセンのペンダントライト「PH5」は、眩しさを抑えた独自のシェード構造によって、心地よく拡散する光を実現し、世界中で愛されています。


また、ミニマルで機能的な美しさを兼ね備えたアルネ・ヤコブセンの「AJフロアランプ」や、やわらかな光と丸みを帯びた優しいフォルムが印象的な「トルボー」など、数多くのアイコニックな照明器具を展開しています。



今回、ルイスポールセンの多大なるご協力をいただき、「あかりの勉強会」をルイスポールセン東京ストアにて開催する運びとなりました。実際の照明器具に触れながら、北欧照明に込められた思想や、日本における光の文化との違いを深く学ぶ貴重な機会となりました。

光の性質やデザインの背景にとどまらず、照明が人間の心理や空間体験にどのような影響を与えるかについても多角的に解説いただきました。特に、北欧の暮らしにおける“ヒュッゲ”という概念、つまり「心地よさ」「安心感」「ぬくもり」を大切にする生活観が、照明の設計思想にも深く結びついているという点が印象的でした。

また、タスクアンビエント照明の事例紹介では、同じ空間に異なる照明器具を用いた際の比較写真などを通して、実践的な照明計画の手法や、その効果を視覚的に学ぶことができました。机上の理論ではなく、実際の空間での見え方や人の感じ方を重視する北欧の姿勢に、強い共感を覚えました。


ポール・ヘニングセンが遺した「良い照明は、最も大切な場所を明るく照らし、そうでない場所は薄暗く照らす」という言葉には、均質な照度の部屋には生まれない灯りのつくる空間の本質が表れています。また、「 “as low as possible”(できる限り低く)」という理念も紹介され、光源の高さや色温度の設定次第で、空間の印象が大きく変わることを改めて実感できました。

このような照明に対する哲学に触れる機会によって、私たちが日々の設計や生活の中で光とどう向き合うべきか、大きな気づきを得ることができたように思います。


最後になりますが、本勉強会の開催にあたりご尽力いただきました、ルイスポールセン東京の田中正志さん、櫻田陽子さんに心より感謝申し上げます。

このような実りある学びの場を通じて、私たちは照明というテーマに改めて真摯に向き合い、「あかりがつくる豊かなくらし」について考えるきっかけを得ることができました。


萱沼 宏記(株)プラスデザイン


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