“きづかい運動”を始めました。/藤原 昭夫
- iezukurisite
- 5月19日
- 読了時間: 4分


上の写真は杉の板材の白太、赤身、木表、木裏、鋸肌、プレーナー掛け、等を太陽や風雨に晒した板と、それらに酸化鉄溶液、柿渋や化学塗料の透明とグレー色を塗った板をセットに、雨曝し箇所と、軒下で横雨以外水に触れないセットと、毎日朝晩に1時間ほど水に浸したセットの変化の暴露試験体の写真です。

上の写真は半年以上廃棄のため放置されて、自然発色した杉の板材です。

上の写真は無塗装のまま数年たった遠野駅前の自然発色したベンチです。
私たちは木が身近にあるから、木材のことを知ってるつもりでいますが、上の写真のように、無塗装なのに、本来の木が持つ自己被膜形成性能でこのようなグレー色に自然発色をさせることができることを知りませんでした。
実は、ある木材加工屋さんから廃業のお知らせを頂きました。その加工屋さんの木材乾燥は釜出し後すぐに納品して、材が歪まないように、1か月ほど自然環境に戻してから再製材して納品する、気遣いのある材木屋さんでした。ウッドショック後の建て控えによる需要減と短納期要求に耐えられないと考えてのことだそうです。こんな状況では木を熟知した地場の事業者が壊滅的に減少し、木や山を知らず、工業製品のように扱う流通事業者が良心的木材産業を衰退させるのでは、という恐怖を覚えました。
今日の木材は雨曝しでの使用や、薬剤や接着剤まみれ、或いは石膏ボード巻など、廃棄時には地中や大気の汚染を招きかねず、高温度燃焼廃棄をせざるをえなく、大量のエネルギー消費を必要とする、新建材と同じ使われ方が横行していて、“木の使い方”も“気の遣い方”もない、使われ方がされています。
今こそ、木の性能と成長サイクルに合わせ、大地に戻せる木材の使い方で、多くの方に大量に使って頂き、森林整備を促し、二酸化炭素の吸収固定を増大させ、地球温暖化に抵抗し、林業と木材産業を活性化させるべき時はなく、環境負荷削減のため、皆で木を多く、賢く使いましょう、という運動です。
そこで微力ながらその一助に、木材を無理なく大量に使える、独創的ノウハウの詰まった木材の外壁仕上げ及び工法部材を、生産を集約化し、山の自然サイクルに合った工場生産で低価格化を実現するため、東北の森林組合、木材加工屋会社、工務店などと連携する仕組みを用意しました。その仕組みを多くの方に広めて頂き、林業や木材産業を応援していくための運動です。
1.具体的には写真のような他所にはないデザインの杉材外壁「小校(こあぜ)波板」を、5500円/㎡で提供します。塗装費や貼り手間は別途です。

杉材の小校波板外壁にグレー色塗布の使用事例とそのコーナー端部写真です。

同様の小校波板に木地色に近い塗装を塗った外壁事例と端部写真です。奥の棟は通常の下見板で、いずれも庇を出して木を傷めない使い方をしています。

2.木造構造スケルトン(下記写真)を出張建て込み工事含み600万円(基礎・開口部・内外壁断熱仕上げ・屋根仕上げ工事、税別)で提供します。


或いは左の写真の住宅の建物木造躯体部分(木造スケルトン:基礎・開口部・内外壁断熱仕上げ・屋根仕上げ工事、税共別途)を750万円で提供できます。
この工法は、FSU工法という工法で建てられています。柱と同寸の角材をボルトで束ねて耐力壁とし、それを柱間に建て込んで構造壁躯体にし、その上に在来工法と同様の屋根を載せて建築する工法です。

壁パネル端部の写真です。柱角が実を挟み連結されてあるのが理解頂けます。
関東では住宅工事費が依然の1.5倍になり普通の方が建築できなくなりました。そこで、関東の工務店が基礎工事をして、仕事が少なくなった東北の工務店が構造軸組と壁パネル及び屋根パネル(又は垂木と野地板)までの木造スケルトンを、出張して建て込み工事までします。その後地場の工務店が、屋根仕上げ、開口部サッシ、外壁断熱仕上げ、内装設備工事を行い、仕上げます。

工事途中の屋根垂木が載せる前の壁躯体の状態です。外部の壁はこの上に断熱材と仕上げが必用になります。内部の壁は木の躯体壁そのものを表わしで仕上げとすることも可能です。この住宅の床面積は95.87㎡(約29坪)で最初の完成写真の家の工事費は税別約2600万円でした。東北では今もさほど上がってないとのことです。木造スケルトンだけなら、750万円で提供可能とのことです。間取り等の多少の変更は対応可能で、いずれ見積もり提出確認後製作します。
詳しい問い合わせ先は、今整備中ですが、本コラムが掲載時には準備できているはずです。それまでは私ども株式会社 結(ゆい)設計にご連絡頂ければ説明いたします。関東の工務店の方からの依頼も受付いたします。mail : office@yui-sekkei .co.jp
(藤原 昭夫/株式会社 結(ゆい)設計 )
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