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『 建築と五感 』/根來 宏典

 設計業と並行し、3年前より京都にある大学で教鞭をとっています。お役目として、オープンキャンパスでのミニ講義や高校に出向く出張授業などもあります。高校生や親御さんから「今のうちから、何かやっておくことはありますか?」という質問がよくあります。

私からは「焦る必要はありません。美味しい空気を吸って、美味しいものを食べて、春夏秋冬を肌で感じること。付け加えるなら、美しいモノを見ること。それは建築でなくても、風景でも、雑貨でも、人の所作でも構わない。それらが生まれた背景に思いを馳せて下さい」と答えています。自分の殻にこもらず、野に、人に、社会に心を放つ。五感を育み、感受性を豊かにすることが、特に住宅設計者にとって大切な素養だと思うのです。

 新緑の季節ですね。先日、京都の隠れ里・大原に行ってきました。オーバーツーリズムや暑さから逃れるように。三千院や寂光院が有名なスポットですが、その里山の風景が美しい。山紫水明の恵まれた環境。畦道を足裏に感じ、水のせせらぎに耳を傾け、草花の匂いに癒されます。棚田に水が張られる季節。シソの産地で、志ば漬けも有名。ランチは鯖街道ならではの鯖寿司を戴きました。昼夜の寒暖差が育む大原野菜は、京都市内の料理人には欠かせない存在。旬菜市場でゲットして帰宅。身も心も整う場所です。

根來 宏典/築紡)

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