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木の家と私たち/キノイエセブン


キノイエセブン活動紹介 

個性的な家、自分だけの家に住む、住み替えもあり!

 マイホームは一生ものと考えている日本人は、多数派かも知れません。実態はどうでしょうか。仕事の都合や家族構成の変化で家を変えたくなる方も大勢います。賃貸派の考え方もうなずけます。一方、借り物ではなく自分の家族(お一人様も)ために設計された家に住んでみるとその価値の決定的な違いに気がつきます。心のゆとりと豊かさがまるで違うのです。

 人の住まい方は、生涯の各段階で必要とされる広さや質は大きく変わります。戦前、日本の都市部の住まいは8割以上の人が借家住まいだったそうです。熊さん八さんの長屋だけでなくお金持ちの邸宅も貸し屋で、出世に合わせて住み替えました。家電製品がなかった時代、女中さんや書生が同居することも多かったので大きな家が必要になったのです。戦争で都市部が焼け野原となり、戦前進出していた地域から人々が一斉に帰国して、終戦後極端な住宅不足に陥りました。その応急対策として、建設資金を個人に貸し付け自前で家を建てさせるシステムを作ったのです。マイホーム(個人住宅)の歴史はまだ浅いのです。


これからは、住まいも質の時代

 コロナ禍に続きウクライナ戦争、円高によって物価の高騰が続いています。建設費も例外ではありません。新築住宅の取得は厳しい状況になってきました。本当に必要な住まいはどんなものか?ご自身の住まいについて考えて見る良い機会です。人の生き方は千差万別。適切な家も千差万別。良い家は、広さや性能だけでは実現しません。家族構成の変化やご自身の体力の変化にどう対応できるか考えて見ましょう。

 ニュースの話題にもなっていますが、全国で空き家が急速に増えています。多額なローンを組んで建てたマイホームが、子供達が巣立ち老人世帯となり、やがて空き家になっています。子供達が親の建てた家に住まないケースが多いのです。

 話が飛びますが、アメリカで家の手入れをする人が多いのは、DIYが好きだからだけではなく将来売却する際の価値を下げないためといわれています。日本でもすでにマンションでは中古物件の取引が盛んです。戸建て住宅でも取引が増えることが予想されています。戸建ては、品質のばらつきが大きく、価値を判断しにくいので築年数で一律に評価する方法がまかり通ってきました。中古住宅市場では、個別の価値を客観的に評価する必要があるため、住宅性能評価や長期優良住宅、建物状況調査(インスペクション)などの制度整備が進んでいます。かつて情報がマスメディアしか発信できなかった時代では、一般的であることが、売りやすかったのですが、今ではインターネット等のおかげで、個性的で魅力のあるもの、少数で特徴のあるものの方が、見つけやすくなってきました。個性的な家の方が買い手を捜し易くなってきているのです。中古建築家住宅を専門に扱う不動産会社も現れてきました。私が若かりし頃担当した個人住宅がシェアハウスとして再生されたことが新聞記事に大きく取り上げあれたこともあります。


自分の価値観にあった家に住もう・家を売って住み替える

 木造住宅の寿命は何年くらいだと思われますか?設備機器の寿命は長くて20年程ですが、築200年以上の古民家は珍しくありません。歴史的建造物に快適に住めるかどうかは別ですが、構築物としての木造の寿命は人の命より長いのです。人の成長段階に合わせて最適な自分の家を建て続ければ、豊かな人生が送れますが、経済的負担は相当なものになるでしょう。自分の環境が変わったら家を高価格で売ることができたらどうでしょう。日本でも戸建て住宅もアメリカのように築年数ではなく家の希少価値で売買できる時代が近づいています。ご自身の価値観にぴったりで個性的な家は、同じ価値観を共有する特定な人には魅力的な物件になります。客観的な価値のある個性的な家をつくるには、住宅に精通した建築家と一緒につくるのが賢明です。


小さくて豊かな住まい

 日本の人口は減り続け現在最も多い家族構成は一人になっています。大きな家は余っていますが、小さくて価値のある住まいが不足しています。小さな家は、維持管理が楽で経済的です。狭さは設計力でかなりの部分がカバーできます。10月の家づくりギャラリーでは、木の家セブンのメンバーが実現した個性的で魅力満点な家をご紹介しています。10月22日(土)~29日(土)は、メンバーが在廊して住まいの何でも相談をお受けいたします。  お気軽にお立ち寄りください。


     

半田 雅俊/半田雅俊設計事務所)

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