最近の私の設計した住宅には部分的に古建具を再利用したりしています。
コストもいくらか抑えられる利点もあるのですがそれよりも古材や古建具を活用すると、住まいに温かみが感じられる為よく利用しています。
写真の住まいでは、庭に面した開口部の障子に古建具の障子を再利用しています。
片方の障子は下部が組子とガラス、雪見障子となっていて庭の風景を感じる事が出来ます。
前の所有者の住まいではたぶん猫を飼っていたのでしょう。少し爪とぎした後も残っていたりします。以前からこの庭には近所の猫や小鳥たちが訪ねて来てくれることを設計段階から建て主さんから伺っていたこともあり、この建具を見つけた時はすぐに連絡して見てもらい即決で古材屋さんから購入して頂きました。
お引渡し後には、しばらくぶりに近所の猫があいさつに来てくれました。
全てを新しくつくることも良いのですがなにかひとつでも、思い入れのあるものを組み込むと、その家を大事に長く使って頂けるような気がします。家づくりになにかしらのエピソードや物語を住まいに組み込む事、古いものを組み込んでみてはいかがでしょうか?
(福田 隆一/福田建築設計事務所)
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