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『 マンションの大規模改修の話 』/藤原 昭夫

更新日:7月19日

今回は戸建てを離れ、マンションの修繕積立金と改修工事の話です

ベランダ上裏の端部のひび割れがでたマンションの大規模改修は必要か?

マンションの大規模修繕工事はなぜ行われるのか、基本的疑問の提案です。修繕には、事後保全と予防保全とがあります。事後保全は具体的に建物に傷みや障害が生じた場合の修繕で、予防保全は、症状が出る前に、予測して処置する保全です。マンション管理課会社が提案する修繕は、基本的に予防保全のスタンスで提案します。

その予防保全のための修繕時期は、建物の症状に関係なく全国のマンションの部位毎の材料の平均的耐用年数、場合によっては、過去の事故が生じた経年期間を参考に、その前に対処ようとする修繕内容と時期が決められます。

そこに疑問を覚えます。単純な例えで言えば、科学的根拠のもとに対候性のある材料機器で、丁寧に施工されたマンションと、下地や仕上げ処理等に疑問がある施工のマンションも、建っている環境や、方位等に関係なく、予防保全という名のもと、建物の症状をよく見ないまま、一様の期間が経てばおかしくなる論理や、一部おかしくなっただけで、全面修繕しましょうと、言っているようなものです。

ベランダ手すりの笠木のモルタルのひび割れ、これも大規模改修が必要な理由か


事前調査(診断)を進める場合でも調査者は、修繕工事を進める関係者が関与している場合が多く、そうでない調査者でも予防保全のための調査であれば、調査者が、数年後まで保証しなくてはならないことになり、自己保全のために慎重になり、他のマンションがおかしくなってくる頃には、このマンションもおかしくなるかもしれないので、念のため修繕した方が良い、という構図のもとの調査書になります。




コンクリート打ち放しの汚れは、躯体の問題ではなく美醜の問題で、むしろ最初の設計の段階で、梁上端に水切りを付ければこんなに汚れなかったことで、今回その水切り設置を提案しようと思っています。 




藤原 昭夫 株式会社結設計



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