「役に立たないものや、美しいと思わないものを、家に置いてはならない」とはウィリアムモリスの名言ですね。生活の中に入ってくる道具は愛しているもので埋め尽くしたいっ!決して間に合わせで用意してはいけません。なんて大上段に構えましたが…今回は一目惚れして清水の舞台から飛び降りた品を自慢しちゃいます。
私の銅のやかん!
あぁぁ、めっちゃくっちゃ素敵。(自分で言うな) このポッテリとしたお姿。 お湯を沸かすのも惜しいほど。 (余談…湯を沸かすほどの熱い愛っていい映画があります) この銅の色味もピカピカの状態から少し育った。もっと黒くなりますぞ。作家さんに創ってもらうのに一年待った。一生のお付き合いだもの短い短い。 この子に会うまではNY近代美術館(通称MOMA)に30年くらい前に行った時に、やっぱり一目ぼれしてたやかんを愛用していた。手持ちで飛行機に乗ったものだから、税関を通過するたびにピーピー音が鳴ったのを思い出す。その子は残念ながらハンドルが劣化してしまってお別れしたのだ。 そうか、私はやかんフェチなのかもしれない。
こうやってニンマリしちゃう一品があるって台所に立つのが幸せになる。そして力のある一品が入ると偽物が蹴散らされちゃう。だからウィリアムモリス様の言う通り、美しいと思わないものは家においてはイケナイのだ。
(田中 ナオミ/田中ナオミ アトリエ )
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