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杣
陰影と光と風を楽しむ住宅
この住宅の敷地は、高台の閑静な環境の一画にある。公園に面し3面を道路に囲まれ、その3方向から斜線制限を受け、北側からも高度斜線制限を受けている。建築の形態は法規上の制限と、必要空間のボリュームから検討し、結局、敷地形状をそのまま住宅のかたちにした。
幸運にも、前方の公園には桜の大木が繁り、各窓から眺められる。敷地のコーナーにはモミジや樹形の美しい木を植えて、公園の木々と重ね、内部からの緑を濃くしたいと思った。
建築の表情に柔らかさを出すため、内外壁に杉板型枠コンクリート打放しを用いた。そして、一部外壁には栗の板材を貼って、コンクリートの表情と対比させた。それは、周辺環境の中に数棟の古い木造家屋があり、その経年変化した木材の色合いが魅力的であったからだ。
将来、この住宅の経年変化した木材の色が、周辺のそれらの建築と調和し、コンクリート打放しに馴染むことを考えている。いずれ古い木造家屋がなくなれば、その役割を引き継ぐことになる。
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